【認可、認可外、認証】意外と知らない保育園の基礎知識

認可、認可外、認証など保育園にはいろいろな形態(種類)があって、どんな違いがあるのか意外と分からないという方も多いのではないでしょうか。保育士であれば知っておきたい、認可、認可外、認証、その違いについて解説します。

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保育園の施設形態はどのように分かれているの?

大きく2つの施設形態に分けられる!

保育園は、大きく分けて二つの施設形態があります。それは、認可保育園と認可外保育園です。ここまではよく知られていますが、そもそも認可と認可外では、具体的に何が違うのでしょうか。実際、保育士であってもきちんと説明できなかったりしますね。
それぞれがどのような施設なのか、簡単に解説していきます。

認可保育園とは?

国が定めた認可基準をクリアした保育園!

認可保育園は法律上では保育所となるので、認可保育所とも言われます。このあたりは、役所に出す書類を書いたことのある方はご存知かと思います。私は以前、保育園とは別に保育所というものがあると勘違いしていましたが、そうした方もいるかもしれませんね。
認可保育園(認可保育所)とは、国が定めた認可基準(施設の広さ、職員数など)をクリアしており都道府県知事(政令指定都市市長、中核市市長を含む)に認可された施設のことです。重要な点として、認可保育園には国から補助金が出ます。認可であれば、自治体が補助金額を上乗せすることもあります。ここが、認可外との大きな違いとなります。

認可保育園は、さらに2種類に分けられる!

認可保育園は、運営主体によって以下の2種類があります。

▼公立認可保育園
自治体が運営
▼私立認可保育園
社会福祉法人、NPO法人、株式会社などが運営

現在、公立認可保育園と私立認可保育園の割合はだいたい2対3ぐらいです。一方で、ご存知かもしれませんが各自治体では公立の民営化が進められています。よって、今後は公立認可保育園の数はさらに減っていくと考えられます。
最近では、公立認可保育園の民営化に伴って公立でも実際は民間(社会福祉法人や株式会社)が運営する保育園も増えています。

公立認可保育園は、一般的に離職率が低く保育士の勤続年数が長いようです。そのため、求人自体が少ない状況となっています。

認可外保育園とは

国の認可は受けていない保育園!

認可外保育園は、一般的には無認可保育園とも呼ばれています。その名の通り、施設の広さや職員数などの基準を満たしていないため、国の認可を受けていません。しかし、それはマイナスなことばかりではなく、無認可であることが強みであることも多いようです。園によっては、夜間保育や特徴的な保育方針など、保護者の多様化するニーズに応えている施設もあります。

また、誤解されている方も多いようですが、認可外でも自治体に届け出しています。
6人以上の子どもを保育する施設は、助成の有無に関わらず自治体への届け出が必要なのです。

認可外保育園は補助金を受けていない!

認可外保育園の多くは、国からの補助金を受けていません。ただし、補助金を受けない代わりに保育料や保育内容を運営者が自由に設定できます。そのメリットを考えて、認可外のままの園も多いようです。
保育料はどうかというと、一般的に認可保育園より高額なことが多いです。これは、認可と違って補助金が出ないためです。しかし、利用者にとっては近年の保育料無償化により、保育料の助成が受けられます。具体的には、3歳以降であれば世帯年収の制限はなく月額3万7000円までの助成を受けることができ、認可外保育園もその対象です。

その他、認証保育園とは?

東京都の独自基準により認められた保育園!

認証保育園は、国の定めた基準でなく、東京都独自の制度によって認められた保育園です。認可と名前が似ていて少しややこしいですね。そのため、東京都認証保育所と書かれている場合もあります。認証保育園は、地価が高く低年齢児の待機児数の多い東京の事情に合わせて、国の認可より多少緩和された保育基準が設定されています。

他にも千葉市、さいたま市、横浜市、川崎市、浜松市、大阪市などが、独自基準で保育施設を認証する制度があります。横浜市の場合、横浜保育室となるなど、名称がそれぞれ異なります。また、あまり知られていませんが、認証保育園にはA型とB型の2種類があります。その大きな違いは対象児童です。
A型は「0〜5歳児が対象で、20〜120人」、B型は「0〜2歳児が対象で、6〜29人」になっています。

認証保育園と認可保育園の違いは?

おもな違いは「保育料、契約内容、保育時間の違い」

認証保育園は、利用者にとって以下の点が認可保育園とは異なっています。

・保育料は認可と違い、園が徴収。金額も園が設定していて、収入に関係なく一定額。(上限あり)
・申し込みは園と利用者の直接契約となり、間に自治体は入らない。
・認可保育園より保育時間が長いです。
認可の場合、基本的に11時間ですが、認証の場合は13時間以上が義務付けられています。

まとめ

保育業界は日々変化しています。今回は認可、認可外、認証、その違いについて解説していきましたが、他にも地域型保育事業と呼ばれる保育施設もあります。それは、小規模保育、家庭的保育、事業所内保育、居宅訪問型保育の4つです。これらは2015年から制度化されたものです。 そうした施設形態については、保育士として一定の知識を持っていたいですね。

ライタープロフィール

玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。

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