困った保護者、呆れた保護者、現場はもう限界!!

昨今、保育現場や学校でも当たり前の言葉として出てくるようになった「モンスターペアレンツ」。一昔前では考えられなかった要求をしてくる保護者が今では日常的に存在するようになってきました。

今年改定された保育所保育指針にも保護者を支援することが明確に記載され、それは保育士に対して「保護者を支援する」という職業上義務づけられたということでもあります。しかし一般常識を超えた保護者支援は考えものです。

保育園が保護者支援という名のなんでも屋になってしまうと福祉施設である保育園の存在に疑問を持ってしまいます。私が長年の保育経験の中で理不尽な要求をしてきた保護者の無理な要求とその対応方法をお伝えします。

少しでも今モンスターペアレンツのことで悩んでいる保育士の皆さんたちの参考になればと願います。

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「朝ごはんくらい保育園で食べさせて!」

以前、保育園で朝ごはんを食べさせてとお願いをしてくる保護者がいました。最初は保育園としてもよく話を聞き、いろんな事情があり食べさせてないのかもしれないと思い、支援していく方向でスタッフと話し合っていました。 子どもにとって、保護者にとって物資的な支援が必要なのか、それとも精神的な支えが必要なのかなどを丁寧に調査し、自治体の保育課にも相談していました。

しかし保護者からの話を聞いいていくうちに朝ごはんを食べずに登園しているのは「朝が起きれないからご飯作れない」「携帯代にお金がかかるからご飯を買うお金がもったいない」などの理由でした。朝ごはんを食べずに保育園に来ている子どもは午前中の活動も眠そうで遊びにも積極的ではありませんでしたし、 お散歩中に何もないところですぐに転んでしまうなど、日常の保育にも支障が出ていました。当時の私を含めスタッフたちは子どもの利益を最優先に考え、なんとかしてあげたいという思いだけでした。

そんな思いとは裏腹に保護者からは「こっちだって早く子どもを連れてきて仕事に行って保育料払ってるの!保育料が無料の人だっているんだから朝ごはんぐらいサービスしてくれたっていいでしょ!」と逆に保育士にキレてしまうこともありました。 保育士から保護者へ生活改善をして頂くようお願いを続けましたが改善が見られず、園としては給食をたっぷりお腹いっぱい食べさせてあげることしかできませんでした。

「保育料は払いません」

保育園の運営コストというのは国や自治体からの運営費と保護者からの保育料で成り立っています。自治体からの運営費というのはもちろん原資は税金です。 地域の方々が支払ってくださる税金、保育園を利用している保護者からの保育料を合わせて保育園スタッフの人件費、園児たちの給食費、その他光熱費や水道料などをまかなっています。ですから保護者から保育料が支払われないと運営に大きく関わってくるのです。

認可保育園の場合保育料というのは自治体が保護者の収入によって決めています。収入が多い家庭ほど保育料が高く、収入が少ない家庭は保育料も低く設定されています。私が出会った困った保護者は本来ならその保育料が払えるのに払わず保育園に通い続けたというモンスターペアレンツです。 私が勤める保育園の場合、保護者が保育料を滞納した時はまず保護者へすぐに納めて頂くよう催促状を発行します。何度も催促し、それでも保護者から納金の実態がない時は自治体と相談し督促状を発行します。そんなしつこい催促と督促したにもかかわらず納金がない場合は給与などの財産を差し押さえることになっています。

ほとんどの認可保育園の場合、給与まで差し押さえて保育料を納金してもらうのはよっぽどの時だけです。もともと保育料というのは税金と同じ扱いで保護者の収入が減ったり、生活が困窮しているならば自治体に相談し措置として減免などの配慮が受けられるのです。 そのように払えない事情がある家庭はなんらかの手立てがあるのですが、保育料を払えるのに払わないのは全く別です。これはあまり知られていないのですが保育料が滞納されていたとしても園児は児童福祉法に守られ通い続けることはできるのです。 保育園として保育料滞納を理由に強制的に園児を退園させることは法律的にとても難しいのです。そんな事情を滞納する保護者も知っていて、「学校だって無料で通わせているのだから保育園だって払わなくて良いでしょ!」との一点張りで一向に納金する様子もありませんでした。

最後の手段として自治体と相談し給与の差し押さえも検討していた時でした。保育園のスタッフに向かって「保育料に見合った保育もしてないくせに!」と罵声を浴びせ最後には「税金払ってるんだからタダで保育してくれたっていいじゃない!」と逆ギレしていました。 結局、その困った保護者は自治体の命令により保育料は納金してくださいましたが、この時は本当に保育園としても園長としても困りました。

最後に

園長として日々保護者とやり取りをしていく中で、子育てや仕事でのストレスを抱えながらも一生懸命頑張っている姿に励まされています。しかしその一方で保育園やそこで働くスタッフに対して奴隷的で何でも自分勝手に言うことを聞かせようとする保護者が増えてきていることも事実です。 保護者と保育園・保育士との信頼関係があってこそ大事な子どもたちを預かる保育が成立するのです。保育士が保護者のストレスのはけ口になってしまうとそこで働くスタッフだって疲弊し、離職につながってしまうことだってあります。

何より大好きなお母さんと大好きな保育園の先生の関係が良くないと子どもたちにとっても良いとは思えません。モンスターペアレンツのことで困った時は一人で抱えず、周りのスタッフや園長主任に相談してください。保育園だけで対応できない時はきちんと関係機関に相談すべきです。

実際、どんなに保育園として誠心誠意、保護者へお願いや働きかけを行ったとしてもご理解していただけない保護者はいます。保育士としてできることはモンスターペアレンツとその子どもへの感情を分けて考えることです。 つい理不尽な要求をするモンスターペアレンツへの怒りが先に出してしまいがちですが、その子どもに対しては笑顔で優しく、そして他の園児たちとわけへだてなく接することが何よりも大切です。子どもたちへ注ぐ愛情は子どもたちが一番よく分かっていますから。

ライタープロフィール

白川 佳代さん

保育士歴10年以上。自身の子育て経験を生かし、新卒保育士や子育てに悩む保護者の相談業務にも多く携わる。現在は認可保育園の園長。また、当サイトにコラムを多数執筆中。

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