記憶に残る遠足にする!企画の立て方と注意点
- 保育士お役立ち情報
- 2019/08/01
子どもたちが楽しみにしている大きな行事、遠足。遠足を企画する際のアイディアと注意点をまとめました。
保育園の遠足は、「ねらい」をじっくり考えてみよう
保育園の行事はいろいろありますが、子どもたちが特別に楽しみにしているのが遠足ですね。
ただ、春遠足などは、新学期の始まりでクラス運営も落ち着いていないので、運営側は大変です。
しかも、遠足は昨年と内容を比べられやすいので、私も遠足の担当をした時はいろいろと知恵を絞ることになりました。遠足は「去年のほうがよかった」とか「マンネリだ」などと言われがちなのです。
遠足を企画するのに迷ったら、まずは「ねらい」をきちんと考え抜くことが必要です。保育園の行事は、特にそのあたりがおざなりになっていることが多いようです。
私たちはつい「◯◯公園に行こう」など、行き先から考えがちですが、一度、「この遠足は何のためにやるのか」話し合ったり、ねらいを考えてみることをおすすめします。
例えば、親子遠足であれば
ねらいは
「親子の触れ合いを深め、保護者同士の親睦をはかる」
などが考えられます。
身体を動かすことをメインにするなら、
「自然の中で身体全体を使って遊ぶ。いつもはできないような異年齢で運動遊びをする」
などです。
また、公共交通機関を使うなら
「電車やバスのマナーを知り、集団行動に慣れる」
なども考えられます。
ねらいを考えて、それにあった行き先を設定する。この順序だと、自然にいろいろとアイディアが湧いてきます。
記憶に残る遠足にするために、「テーマ」を決めよう
「ねらい」を設定したら、それに合った行き先を考えましょう。
「『自然に触れ合う』がねらいだから、自然公園にしよう」などです。
更に、それを具現化していく「テーマ」を設定することをおすすめします。
テーマを設定すると、記憶に残るような、いつもと違ったユニークな遠足にすることができます。
ただテーマといってもピンと来ないかもしれませんので、アイディアや実際に盛り上がった実例を紹介します。
テーマは「動物」
ねらいを「動物たちとのふれあい」に決めて、行き先を「動物園」にしたとします。
そうであれば、徹底的に「動物」にこだわった遠足にしてもいいかもしれません。
ある保育園では、遠足のオリエンテーリングで、親子で動物園を探検。各所に動物さんに扮した保育士が隠れているそうです。動物さんからシールをペンダントに貼ってもらうと、園児は大興奮。この催しは園の遠足の名物になって毎年行っています。
テーマは「地域」
ある園では「地域との交流」をテーマにした遠足を実施しています。
地域の方と触れ合いながら、親子でウォークラリーをするのが主活動です。地域の方は、自分たちが得意な遊びを持ち寄り、園児と交流します。この遠足は園児にも地域の方にも好評のようです。
テーマは「忍者」
ある園では、日々の保育で「忍者の修行」と題して、様々に体を動かしています。その延長で「忍者遠足」を企画。親子遠足で公園に行き、異年齢で数々の「修行」をします。
バランスをとって歩いたり、斜面を滑り降りたり、水のトンネルをくぐるなどの修行です。
4つすべてクリアすると、手裏剣がもらえるそうです。
いかがでしょうか。参考にして、遠足のテーマを考えてみてください。
遠足で注意したいこと
楽しい遠足ですが、運営側の配慮不足から、不満を感じさせたり、場合によっては、クレームにつながるような残念な結果になることがあります。
遠足を企画する際は、以下のポイントをあらかじめ注意しましょう。
1.活動は順位がつかないようにする
楽しかった遠足なのに「ビリ」だった、という記憶は一生残るもの。ケンカやトラブルにもつながりやすいので、競争など順位のつくものは避けたほうがよいと思います。
2.込み合う人気スポットは避ける
遠足の定番スポットは、遠足シーズンともなれば各園の子どもたちがやってきます。
ある人気公園では、一日に35園の遠足が行われることもあるそうです。
下見などの段階できちんと混雑状況を聞いておきましょう。
3.親子遠足の場合、保護者同士のつながりを意識する
保護者同士の交流も遠足の大事なポイントです。
保育園は保護者同士のつながりが薄いことも多いため、ネット上の口コミなどを見ていると「ママ友がいないから、保育園遠足は気が重い」という書き込みをよく見かけます。
自由行動やお弁当の時間などは、保護者が独りになったりしないように配慮してあげましょう。
まとめ
保育園の遠足は、いつまでも子どもたちの記憶に残るもの。
運営側はハードですが、さまざまな配慮をして楽しい企画にしましょう。遠足の帰り道、みんなの笑顔で疲れが吹っ飛び、やってよかったなと思えるはずですよ。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
\このページをシェアする/