心を込めて送りたい 卒園式準備のコツと注意点
- 保育士お役立ち情報
- 2020/03/26
保育園の卒園式を心込もったものにしたい、一方で準備も大変と感じている保育士の方も多いのではないでしょうか。園生活の締めくくりである『卒園式』を行うにあたって、準備する際のポイントを紹介します。

そもそも卒園式の目的・狙いは?
卒園式も保育の一環であり、成長を実感する場である!
卒園式は、子どもにとっても、保護者、保育士にとっても、園生活の最後を飾る大切な行事で、長く記憶に残り続けます。私も、初めて卒園児を送り出した時のことをよく覚えています。
花道を歩いてくる園児の顔を見た瞬間、涙が止まらなくなりました。その記憶はきっと忘れることはないでしょう。特別な行事である卒園式を園全体で心を込めて、皆の記憶に残るような式にしたいですね。
まず考えたいのが、卒園式も保育の一環ということです。
なので、そこには保育的なねらいがあります。卒園児、在園児ともに、卒園式という大きな節目を体験することで、それぞれ成長を実感することをねらいます。
以下のようなものが一般的です。
卒園児に対しての目的・狙い
・仲間とともに成長してきた喜びを実感する。
・保護者や保育士など、多くの人に支えられてきたことに感謝の気持ちを持つ。
・卒園など、生活に変化や折り目を付けることを学ぶ。
・小学校入学への期待を高める。
保育士は運営面に心を奪われがちですが、卒園を迎える子どもたち一人一人の心に向き合いたいものです。また、在園児にとっても卒園式は特別な時間になります。園で一緒に過ごしてきたお兄さん、お姉さんとのお別れを初めて経験する子もいます。
なので、在園児もただ参加するのではなく、保育士は、卒園児への感謝の気持ちを伝えられるようにはたらきかけて、有意義な時間にしてください。
在園児の目的・狙い
・卒園児の姿から進級することへの期待を高める
・卒園児に感謝の気持ちを伝える
卒園式準備のコツと注意点
卒園式を良いものにするためには、入念な準備が必要となります。以下で準備する上でのポイントを紹介します。
卒園式の流れについて
卒園式はそれぞれの園によって違いはありますが、基本的には、だいたい同じ流れです。一般的な卒園式の流れについて紹介します。
<一般的な卒園式の例>
・開場、注意事項伝達
・園児入場
・開会の言葉
・卒業証書授与
・園長式辞
・来賓あいさつ
・在園児のお祝いの言葉(歌やメッセージ)
・卒園児のお別れの言葉
・卒園の歌
・閉会の言葉
・記念写真撮影
卒園児と保育士、在園児たちが、お互いの感謝を伝えられるようなプログラムになっています。
参考にしながら、まずは式次第をつくってみてください。それを元に、園長や職員と打ち合わせを進めていくとよいでしょう。
会場のレイアウトについて
当日までに必ず会場レイアウトを検討しておきましょう。
以下のポイントに留意して、実際に会場に立ちながら、当日の流れを確認するとよいでしょう。
<レイアウトのポイント>
・保護者席から子どもたちが見えるようにする(撮影トラブル回避のため)
・保護者の三脚など撮影スペースの確保。
・保護者席付近に職員を一人配置。保護者との意思疎通がしやすい。
保育士の服装について
園によっては卒園式の服装が決まっている場合もありますが、ほとんどの場合は個人で正装してくることになります。保育士はきちんとしたスーツで、色は黒かネイビー、グレーなどのトーンが無難です。ただし、喪服を使用するのはやめましょう。
ボトムスはスカートでもパンツでも問題ない場合が多いです。コサージュを合わせるなども問題ないでしょう。特に卒園児の担任については、明るめのスーツや袴でもよいことが多いようです。
服装は間違えると、後々まで語り草になることがあります。気になる場合は、園長や主任に事前に確認して式に臨んだほうがよいでしょう。
装飾について
いつもの卒園式の装飾ではなく、ちょっとした工夫をすると新鮮な会場になります。すぐにできる装飾のアイディアを紹介します。
卒園児の作品展示
例えば、卒園児が描いた自画像を装飾するのもおすすめです。ランドセルを背負った姿を描いてもらい、それを壁面に並べると、小学生になる期待が伝わってくる装飾になります。
また、製作の時間を使って、春らしいちょうちょやティッシュペーパーで作ったお花などの作品をつくるのも、卒園式への期待を高めていく効果もあっていいですね。
統一したテーマカラー
園の行事にありがちなのが、さまざまな色の装飾が壁面に並ぶこと。卒園式の場合、いつもより少し色を抑えたほうが、ムードが出てきます。
複数の保育士がつくっても統一感が出るように、テーマカラーを「ブルー」など一つに決めてもいいかもしれません。
まとめ
卒園式は園生活の締めくくりなので、準備にも力が入りますね。特に卒園式担当になると、装飾の準備や式の進行のことで頭がいっぱいになってしまうかと思います。
卒園式で必要なのは、厳粛なムードではなくやはり先生の笑顔です。子どもも保護者も緊張する中、先生の笑顔に心がほころぶのではないでしょうか。大切な式ですが、自然な笑顔があふれるように余裕をもって準備に臨まれることをおすすめします。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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