女社会で生きるコツ

保育園は、圧倒的に女性が多い職場です。 女性が多数派の集団では、時に、「面倒くさい」「怖い」「うまくやるには、どうすれば良いんだろう」などと悩むことがあるようです。 同性である女性保育士さんも、少数派となる男性保育士さんも、そんな女社会に疲れてしまっていませんか?今回は、女性の心理的な傾向から、女社会で円満にやっていくためのコツについて、考えていきましょう。

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女性特有の心理ってあるの?

女性だけにあって、男性にはないという、こころのメカニズムはありません。どの様な心理的な欲求や傾向も、本来は男女ともに持っているものです。
では、男社会と女社会で、なぜ違いが出るのかというと、脳の仕組み社会環境によって、欲求や傾向の強さに男女差があるからなのです。これはあくまで一般的な傾向なので、「私は女だけど、そんなことない」「自分は男だけど、そういうところがある」と感じることは当然あります。
それでは、多くの女性や女性集団に当てはまる傾向と生き抜くコツについて、見ていきましょう。


女性の集団に共通して言えること

女性社会は横社会

男性社会は縦社会、上下関係が重視されます。それに対して、女性の社会は横社会です。特定の誰かだけが褒められたり、良い条件を与えられたりすると、嫉妬され、出る杭としてたたかれやすい傾向があります。誰もが、同じ立ち位置であることが求められやすいのです。


■生き抜くコツ

・自分の手柄を皆の手柄に
自分だけ褒められた時は、「あれは、私だけでなくて、先輩や皆さんのサポートのおかげなので」と、その場では皆の手柄というフォローを入れましょう。褒められた喜びは、職場を離れてから、かみしめるようにするといいでしょう。

・評価が妥当だというプロセスを示す
女性は、結果よりもプロセスを重視しやすいです。何か評価されたときは、「あの時、〜〜したのが良かったのかもしれない」「今回は実は結構力を入れていたんだよね」などと、評価が妥当だと思えるような根拠に触れておくことで、嫉妬は緩和されます。

・目標を共通のものにする
妬みやすい人には、「一緒に頑張りましょうね」と、声をかけてみてください。抜け駆けする気はないということが伝わります。また、せっかく頑張ろうとしているのに、「何、あの人…、一人だけやる気出しちゃって」と一歩引いて見られてしまうリスクを予防することができます。


プロセスを重視

女性は、結果よりも、それまでの経過を大切にします。どんなに結果が良くても、プロセスに良くない部分があると評価が下がってしまうことがあるのです。


■生き抜くコツ

・一生懸命さを見せる
単純な作業、簡単な作業でも、ダラダラとやらず、一生懸命さを見せておきましょう。結果がどんなに良くても、取り組み方がいい加減だと思われると(実際はそうではなくても)評価が下がります。反対に、結果があまり良くなくても、一生懸命さが伝わると、「残念だったけど、よく頑張っていたよね」と評価してもらえます。

・結果よりもプロセスを褒める
相手を褒める時には、結果を出すために頑張ったことを評価するようにしてみましょう。
例えば、
「この製作のアイディア、素敵ですね」→「こんな素敵な製作のアイディア、どうやってみつけたんですか?すごいですね」 などと伝えると、頑張りを評価しているということが伝わります。


グループでいると安心する

もしかすると、園長派や主任派など派閥問題に巻き込まれた経験のある人もいるかもしれませんね。
「集団や組織の一員として存在したい」という欲求を帰属欲求と言い、男性よりも女性の方が強いとされています。属する集団に受け入れられることで、心理的な安定を得ようとしているのです。でも、グループでいる事に疲れてしまうこともありますよね。


■生き抜くコツ

・無理をしていることに気づく
グループでいる事がつらくなった時は、何かしら、我慢や無理が生じている状態です。例えば、グループと自分の意見が違うのに、言い出しづらくなっていたりします。まず、自分が無理をしているということに気づき、合わせすぎないようにすることが大切です。

・一対一の付き合いを意識
無理をしていると気づけても、そのグループを離れることは、職場ではリスクのある行動かもしれません。グループの中の一人ひとりと、個人でのお付き合いをすることを意識してみましょう。意外と他の人も無理していたことがわかり、グループは自然と再編成される可能性があります。


協調性、共感が重んじられる

属する集団と同じ考えを持ったり、気持ちを理解できたりすることを重要視されます。一人だけ違う行動をとると、白い目で見られてしまうことも…。


■生き抜くコツ

・最初は合わせる
新しい園やリーダーのクラスに所属した時、初めのうちは、まずは園やリーダーの方針に合わせて動きましょう。疑問に思うことがあっても、そういったシステムにしている理由があるかもしれません。改善案などの意見は、ある程度信頼関係がお互いにでき、身内だと認めてもらってからの方が、通りやすくなります。

・共感した時はあいづちを
ウソをついてまでする必要はありませんが、「確かに!」「私もそう思います」など、共感できることがあれば、すかさずあいづちを打ちましょう。同じ気持ち、考えである事が伝わるでしょう。


皆と仲良くしないといけない雰囲気がある

女性同士には、仲良くするのが当然という雰囲気があります。ただ、苦手な先輩、同僚、後輩とは、なかなか難しいですよね。同じ保育士であっても、理想とする保育や仕事に対する考え方が異なる場合もあります。


■生き抜くコツ

・仕事上は好いているという態度で
どんなに苦手でも、仕事上のやり取りは和やかに行いましょう。こちらが苦手な雰囲気を出すと、相手からも嫌われやすいです。反対に、「こちらは好意を持っていますよ」という態度で接すると、相手からも好かれやすくなります(好意の返報性)。

・仕事と、プライベートを分ける
とはいえ、お友達ではないので、仕事上、必要なコミュニケーションは取るにしても、プライベートに関しては距離を保つようにしておきましょう。
「仲良くなれるに越したことはないけれど、必ずしも、そうしなくてはいけないわけではない」という程度に思っておくといいでしょう。


「やりがい」を重視

女性は仕事にやりがいを求める傾向があります。その仕事が自分にとって楽しいか、誰かの役に立っているか、自分ではなければできない仕事なのかという点が重要なのです。仕事を任せた相手に悪意がなくても、やりがいが感じられない仕事を与えられるとモチベーションが下がってしまい、振った相手にも不満を持ちやすくなります。


■生き抜くコツ

・得意なことをアピール
なぜ自分がこの仕事をふられたのかと不満に思えた時は、あなたの得意なことが仕事を振る立場の人に伝わっていない可能性があります。得意なこと、やりたい仕事について、普段の何気ない雑談の中で話題にしてみると良いでしょう。

・その人にお願いしたい理由を伝える
あなたが後輩やパートの先生に仕事を振る側で、相手が不服そうに見える場合もありますよね。そういった時は、なぜそれをその人に担当してもらいたいのかを伝えてみましょう。
また、先輩に仕事をお願いする場合も、「先生のスキルを見込んでお願いしたいのですが」などと、お願いしたい理由を伝えてみましょう。仕事を受ける人が、「これは、私の仕事」と思えることが大切です。


個人の意見が出にくい

自分の意見を主張するということは、横社会である女性集団では難しいことですよね。会議中、改善の必要がある事項があっても、結局、誰も発言せず、昨年度と同じになったり、リーダーの案をそのまま採用ということになったりということがあるかもしれません。これは、会議をまとめる立場の人も困ってしまうことですよね。


■生き抜くコツ

・和やかなおしゃべりからアイディアを生む
女性集団は、何気ないおしゃべりの雰囲気であれば、次から次へと意見を出しやすくなり、そこから発展的なアイディアを生み出すことができます。自分が会議のリーダー役で、意見をたくさん出してもらいたいときは、畏まるよりも、世間話をするような和やかな雰囲気を大切にしてみてください。また、会議以外の場面で意見を集めておくのもおすすめです。

・複数の意見であることを強調
自分の考えを伝えたい時は、「そう言えば、昨年は〜〜の点が大変だったと話題になっていましたよね」などと、何人かが感じていたということを含めて思い出話のように伝えてみると、「そうそう、そうだった」と周囲も反応しやすくなります。


女社会である以上の問題を抱える園も

いかがでしたか?少しでも女社会で生きるコツが見いだせたなら、幸いです。
ご自身が一般的な女性集団の傾向と異なるほど、女社会の暗黙のルールは間隔的に理解できない部分が多く、苦労するかもしれません。ただ、女性の心理を理解し、仕事上はそう振舞っておくことで、スムーズに働いていくことができそうという可能性も見えてきましたよね。
男性保育士の皆さんは、「そもそも考え方が違う」という前提で、伝え方や接し方を工夫していただければと思います。
女性保育士さんも、男性保育士さんも、是非、女社会で円満に働くコツをつかんでいってくださいね。

ただ、時に女社会であるということを越えて、組織的な問題を抱えている園もあります。
心身ともに不調が続いている場合は、現在所属している組織でうまくやることに、こだわりすぎない方が良いかもしれません。
所属する先が、あなたにとって、働きやすい場所であることを願っています。


≪心理カウンセラープロフィール≫

松本 いずみ

公認心理師。明治学院大学大学院心理学専攻修士課程修了。ストレスチェック実施者研修修了。スクールカウンセラーとして都内中高で12年間従事するかたわら、メンタルヘルスサイトにて一般向けに心理学コラムの執筆とメールカウンセリングを担当。プライベートでは0歳と7歳の2児の母。最近は「あつまれどうぶつの森」を家族で楽しんでいます。


参考

五百田達成 察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方 ディスカヴァー・トゥエンティワン

斎藤勇 面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学 西東社

アダム アカー、橋広行 2009 「広告調査における男女の回答の違い」についての一考察 関西学院商学研究(第60号)

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