保育士のための発達支援関連資格5選!【2023年度最新版】

保育士の力が、今「発達支援(療育)」の現場で必要とされています。2012年の児童福祉法改正によって制度が始まった児童発達支援施設は、「児童発達支援センター」と「児童発達支援事業」の2つがあり、保育士の需要の増加と同時に、働きたいと希望する保育士も増えているのです。
保育士が児童発達支援施設で働く際に、保育士以外の資格が必要なのか疑問に感じる人もいると思いますが、保育士以外の資格は特に資格は必要ありません。保育士としての専門性やスキル、経験がある人は自身の経験を活かして活躍できるでしょう。しかし発達支援に関する資格はいくつかありますので、取得しておくと就職に有利になったり、自分自身のスキルアップやキャリアアップにもつながったりします。そして何より、日々の業務において非常に役立ち、大きな自信になることは間違いありません。

今回の記事では、発達支援に関する資格について解説します。児童発達支援施設で働くことを検討している人は参考にして、資格の取得を検討してみてください。
関連記事:児童発達支援施設で働きたい保育士向けの研修とは?

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保育士のための発達支援に関する資格5選

発達支援に関する資格はいろいろな団体が、それぞれ資格取得のための研修や試験及び認定を行っています。今回は、その中から5つの資格を紹介します。
今回紹介する資格はすべて民間の資格であり、児童発達支援施設に勤務するにあたって取得しなくてはいけない資格ではありません。そのため、保育士のキャリアップ研修の対象外で、資格を取得しても給与や役職が上がるなどの恩恵があるわけでもありません。そして、児童発達支援施設で働く保育士に限らず、保育園やこども園でも、今後は待機児童が減り、今まで以上のスキルアップや、子ども達に寄り添った保育が求められるでしょう。そのため、あくまでも自分自身のスキルアップの一環として資格取得のために学んでみてはいかがでしょうか。

保育士のための発達支援に関する資格@ 児童発達支援士

認定機関

一般法人 人間力認定協会

資格の概要(内容や目的等)

現代社会では、引きこもりの人数が増加していることが社会問題となっていますが、引きこもりの3〜5割の人が、何らかの発達障害をもっていると言われています。引きこもりの原因に多い、いじめや不登校、うつ病、自殺などは発達障害による二次障害に挙げられていて、発達障害の人達が人間関係をうまく築くことができず、自己肯定感が低下してしまうことで二次障害を引き起こす要因にもなっているのです。児童発達支援士は、二次障害に着目し、発達障害をもっている人に適切なアプローチをすることで二次障害の防止につながることを目的としています。
「習慣化の60秒ルール」や「しつけを成功に導くアプローチ法」など、脳科学や心理学に基づいたアプローチが特徴。できることを増やし、「ありがとう」の感謝の気持ちをもてるようにすることで自己肯定感の向上にも効果があります。また、コミュニケーション能力を伸ばすためのトレーニング方法も取得可能。

研修・試験内容

知識だけを学んで実践できなかったり資格を取得することが目的になったりしないよう、多数のケーススタディが用意されています。通学や提出物は一切なく、テキストやワークブック、動画で学べるため、子育て中の人や地方に住んでいる人でも取得しやすいのが魅力。受講者専用のLINEアカウントがあり、資格取得後も発達支援に関する動画や試験対策やセミナーなどの情報を得ることもできます。
保育士のほかにも、児童発達支援施設で働く看護師や、発達障害の子どもをもつ保護者なども多数取得している資格です。
8カ月の受講期間の中で、学習時間の目安は15〜30時間程度。試験はオンラインで実施され、選択式の設問で50問中35問以上の正解で合格となります。

受講料

テキスト、ワークブック、解説動画DVDなどの教材込みで3万7,400円(税込)。受験料は別途4,070円(税込)が必要ですが、発達障害コミュニケーションサポーターの資格とセットで申し込むと2万円割引となります。

保育士のための発達支援に関する資格A 発達障害児支援士

認定機関

四谷学院

資格の概要(内容や目的等)

2019年8月に開講して、初年度だけで1,000人以上の人が受講しました。受講するには実務経験や年齢、学歴などに制限はなく、基本から学ぶことができるので、就職前の学生や発達障害の子どもをもつ保護者など、学びたいという気持ちがあれば誰でも受講可能です。
学習内容は、指導の心得、子ども達や保護者への接し方という基本的な内容から、急な予定変更に対する拒否や同じ行動を繰り返すなど発達障害の特性や、パニックになったときの対応法まで、発達障害全般に関しての知識や、現場での実践に役立つ内容を学ぶことができます。

研修・試験内容

教材は動画で、パソコンやスマホ、タブレットなどで何度でも視聴可能です。標準学習期間は6カ月ですが、受講サポート期間は1年間あるので、仕事と両立しながら学びやすくなっています。
認定試験の合否は、レポート課題、ケーススタディ両方の成績により判定。講座を通じて学んだ知識やケース(事例)をどれだけ理解し自分のものにしているか、具体的に行動できるかといったような、実践力や応用力があるかどうかが合格するポイントです。誰でも簡単に合格できる資格ではありませんが、その分しっかりと勉強をすれば専門的な知識やスキルを身につけることができます。
また、資格取得後も、さらに学びを深めたい人に向けて“発達支援プレミアム会員制度”があり、視覚を取得して終わりではなく、継続して学び続けることができるので安心です。

受講料

認定試験の受験料込みで10万9,780円(税込)と少し高額ですが、資格取得後の更新料はかかりません。

保育士のための発達支援に関する資格B 発達障害学習支援サポーター®

認定機関

一般社団法人 子ども・青少年育成支援協会

資格の概要(内容や目的等)

発達障害のある子ども達への学習支援に必要である専門知識や実践的な支援の方法を、基礎から学べる資格制度です。グレーゾーンを含む発達障害の子ども達の学びの促進を目的として作られました。心理学や認知科学などの専門知識を活用し、子どもたち一人ひとりへのアセスメントを重視しているところが特徴です。

研修・試験内容

発達障害基礎理解講座TとUの2つを受講することで、資格試験を受けることができます。
公開講座と資格養成講座を組み合わせた内容で、発達障害に関する知識がなくても基礎から体系的に学ぶことができます。発達障害に関する専門知識を有する人でも、さらに学びを深められる内容になっています。臨床心理士、社会福祉士、看護師などの専門資格を持っている人は、発達障害基礎理解講座Tの受講が免除されます。保育士資格も専門資格に含まれるため、講座Tの受講は免除になりますが、講座Tの内容も試験の問題範囲に含まれるので注意してください。
また、発達障害学習支援サポーター取得後は、発達障害学習支援シニアサポーター、発達障害学習支援エキスパートサポーターとステップアップしていくことも可能です。

受講料

発達障害基礎理解講座Tは3300円(税込)、発達障害基礎理解講座Uが6,600円(税込)で、資格取得費用が試験料込みで2万9,700円(税込)です。試験が不合格の場合は何度でも再受験が可能で、再受験料は5,500円(税込)、資格は毎年更新が必要で、更新料は7,000円(税込)です。

保育士のための発達支援に関する資格C 発達障害コミュニケーション指導者

認定機関

一般社団法人 日本医療福祉教育コミュニケーション協会(AMWEC)

資格の概要(内容や目的等)

初級から上級まで3段階に分かれていて、初球は発達障害に関する仕事をしている人のほか、保護者やボランティアなどすべての人が対象です。中級と上級は、それぞれ定められた期間の実務経験が必要で、発達障害に関わる保育・教育、医療、福祉などの施設や機関に勤務している人が対象。

研修・試験内容

必要とされる時間や部門の研修を受講し、レポートを提出することで資格が取得できます。オンラインでの受講も可能です。

受講料

受講料は1万9,000円(税込)のほか、資格認定料が4,000円(税込)必要ですが、会員登録することで認定料は2,000円(税込)となります。

保育士の発達支援に関する資格D 子ども発達障がい支援アドバイザー

認定機関

ユーキャン

資格の概要

子どもの発達に関する理解を深め、成長に合わせて適切なサポートをするための資格です。子どもの困った行動の原因を理解し、適切な支援をするために実践できるスキルの習得をし、子どもや保護者に寄り添えるようになることが目的。

研修・試験内容

仕事や子育てで忙しい人にも継続しやすいよう教材はテキストのほか、絵カードや支援ワークブックなどの支援グッズがセットになっており、テキストと連動したDVDを、受講生専用のデジタルサイトから視聴可能。3カ月で合格を目指せるカリキュラムです。受講期間内に2回の添削問題を提出することで、修了認定試験を受けられます。試験はマークシート式で、自宅で受講可能です。

受講料

3万2,000円(税込)ですが、2,980円×11回の分割払い(合計3万2,780円(税込))も選択可能。

まとめ

保育士が児童発達支援施設で働くにあたり、取得しておくと役立つ資格を5つ紹介しました。これらの資格は必須ではありませんが、資格を取得するために研修を受講し、さまざまな知識や実践に役立つスキルを学ぶことが重要です。また、資格を取得して終わりではなく、そのうえの資格を目指したり、別の研修を受けたりしながら、ブラッシュアップしていくことも大切でしょう。
今回紹介した資格の詳細は、各サイトで確認してください。また、ほかにもさまざまな資格がありますので、興味がある人は検索してみることをおすすめします。

関連記事:児童発達支援施設の保育士求人の特徴と保育園との違いについて

ライタープロフィール

西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。
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