保育士が放課後等デイサービスで必要とされている理由や資格などについて解説

保育士の資格を活かして働ける職場の1つに「放課後等デイサービス」があります。6歳(小学校1年生)から18歳(高校3年生)までの障害をもつ子ども達をサポートする放課後等デイサービスは、2012年4月にスタートした児童福祉法に基づく通所支援サービス。放課後等デイサービスでは、子ども達が日常生活で必要な訓練を行ったり生活能力の向上や集団生活への適応を目指し学校や家庭と連携して支援を行ったりします。そのため、保育士の力が必要とされているのです。
今回の記事では保育士が放課後等デイサービスに勤務する場合に必要なスキルや知識、取得しなければならない資格はあるのかなど、放課後等デイサービスで勤務する場合の具体的な内容について解説します。

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放課後等デイサービスに勤務する職種とは?

放課後等デイサービスは、2012年に始まりました。その後、2014年から2016年にかけて児童福祉施設において事故や公費の不正請求などのさまざまな問題が発生したことを受けて、2017年4月に児童福祉法が改正されましたが、、この改正によって児童福祉施設における職員の配置や基準が新しくなり、2018年4月から施行されています。

現在、放課後等デイサービスに義務付けられている職員配置は以下の通りです。

管理者

原則として、施設の管理業務に従事します。業務に支障がない範囲で、ほかの職務と兼務することも可能です。

児童発達支援管理責任者

専任かつ常勤の児童発達支援管理責任者を1人以上配置しなければなりません。厚生労働省が定めた児童発達支援管理責任者の要件には、5〜10年の実務経験が必要とされています。
さらに、相談支援従事者初任者研修やサービス管理責任者研修を受講することも必要です。

児童指導員または保育士

1人以上は常勤であることと、職員の半数以上が児童指導員または保育士であることが定められています。また、施設を利用する子どもの人数により、人数配分が以下のように異なります。
○子どもの利用数10人までの施設
・児童発達支援管理責任者
・職員
児童指導員・保育士・障害福祉サービス実務経験者(2年以上)のいずれか2人以上
※半数以上が児童指導員または保育士であること
※児童指導員または保育士のうち1人は常勤であること

○子どもの利用数10人以上
・児童発達支援管理責任者
・職員
児童指導員・保育士・障害福祉サービス実務経験者(2年以上)
※職員数と子どもの人数が1対5であること

機能訓練担当職員や看護師を配置した場合は、職員数に含めることができます。

任用資格である児童指導員は、社会福祉士の資格を有することや大学にて社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を学んだこと、地方厚生局長等が指定する児童福祉施設の職員養成校などの養成施設を卒業していることなどの要件があります。

保育士が放課後等デイサービスに必要とされている理由

放課後等デイサービスの職員は、児童指導員または保育士の配置が義務付けられているため、保育士は放課後等デイサービスにとって必要な職業です。放課後等デイサービスは保育園やこども園の園児より年齢が高い子どもが対象ですが、園児と接した経験やコミュニケーション能力の高さは放課後等デイサービスでも存分に活かして仕事ができるでしょう。
また、保育士の資格取得に当たって障害福祉についても学び、障碍者施設での実習経験を積んだ人が多くいます。そして、実際に保育園やこども園で勤務する中でも障害児や支援を要する子どもと接する機会がある保育士は、その経験も求められているのです。

保育士が放課後等デイサービスで働くために必要な資格

前述したとおり放課後等デイサービスには保育士の配置が義務付けられていますので、保育士の資格を持っていれば勤務することができます。したがって、保育士以外に必要な資格はありません。保育士としての知識やスキル、経験があれば放課後等デイサービスでも活かして活躍することができるでしょう。
そのうえで、放課後等デイサービスでは個別支援計画の作成やさまざまな障害をもった子ども達と接し、サポートすることが必須のため、障害児や発達支援などに関する研修を受けることで自信につながります。いろいろな機関や市町村が研修を実施しており、オンラインで受講可能な研修もありますのでスキルアップやキャリアアップのためにも受講することをおすすめします。

放課後等デイサービスのサービス内容とは

保育士の資格があれば放課後等デイサービスに勤務することは可能ですが、保育園やこども園とは対象となる子どもの年齢以外にも違いがあります。保育園やこども園との違いも含めて、放課後等デイサービスのサービス内容について解説します。

年齢によってクラス分けを行って保育する保育園やこども園とは異なり、放課後等デイサービスでは子ども達1人ひとりの障害の度合いや状況に応じて訓練する内容等が違います。集団で保育を行う場面も多い園でも園児1人ひとりの状況に応じた関わりが必要ですが、それ以上に個々との関わりが非常に重要です。活動内容も、学童保育のように子ども達が自由に過ごしながら、日常生活に必要な能力を養うための指導や支援を行います。

主な1日の流れや活動内容は、次のようになっています。
・子どもが通う学校に迎えに行く(長期休暇中など学校が休みの場合は、各家庭に)
・健康チェック
・おやつ
・自由に過ごす(宿題など)
特別なカリキュラムやプログラムがある場合もあります。
・個々に機能訓練など
・各家庭医に送り届ける

季節のイベントなどを行う場合もあります。

放課後等デイサービスに向いている人ややりがいとは

保育士の資格を活かして放課後等デイサービスで働くことはできますが、仕事の内容や対象年齢は保育園やこども園とは異なるため、慣れるまでは大変なことも多いでしょう。保育園やこども園でも子ども達1人ひとりとの個々の関わりはとても重要ですが、集団での活動も多くあります。一方、放課後等デイサービスはクラス分けがないため集団での活動は少なく、個々の関わりが中心です。保育園やこども園に比べると、アットホームな雰囲気で仕事ができるので、人数が少ない環境やカリキュラムに縛られない保育がやりたいと考えている人には向いています。
年齢や障害の度合いや状況によっては対応が難しい場合も多くありますが、その分1人ひとりと深く関わりをもち、身近で成長を見守ることで大きな喜びや感動を味わうことができるはずです。そして、発達障害や子供の成長発達に関する経験を積み、知識やスキルを身につけることができます。さまざまな年齢や発達状況の子ども達と接する経験は、その後保育園やこども園で勤務する機会があったときにも非常に役立つことは間違いありません。

また、放課後等デイサービスの利用者数は増加しているため、保育士の需要も高くなっています。一般的に放課後等デイサービスは、保育園やこども園と比較して残業は少なく、給与や待遇面が恵まれていることが多いこともメリットです。

放課後等デイサービスへの転職や就職を希望する際のポイント

放課後等デイサービスについて理解できたと思いますが、放課後等デイサービスに興味を感じて働きたいと思ったら、まず保育士向けの求人サイトやエージェントに登録することがおすすめです。まだ迷っているという場合でも、登録することで相談したり詳しい情報を得たりすることができ、不安や疑問を解消することができます。そして、いろいろな施設を比較して、じっくりと検討することもできます。そのうえで、転職するかどうするかを決めても遅くはありません。
働きたいと思う施設が見つかり面接を受けることが決まったら、面接前に一度足を運び、自分の目で見てみましょう。面接では施設内の様子を見ることはできますが、事前に外側から施設の雰囲気を把握することができます。

まとめ

保育士資格があれば、放課後等デイサービスで働くことができます。放課後等デイサービスにおける保育士の需要は、今後ますます伸びていくことが予想されますので、転職を希望する人はぜひチャレンジしてみるとよいでしょう。
放課後等デイサービスは給与や待遇面でも恵まれている場合が多いですが、管理者や児童発達支援管理責任者を目指すことで、さらに恵まれた待遇で働くことも期待できます。研修の受講や経験を積み、スキルアップやキャリアアップも目指してみてはいかがでしょうか。

関連記事:保育士の新たな働き方「放課後等デイサービス」仕事内容と保育園との違いとは?

ライタープロフィール

西須 洋文さん
30年以上、保育士として保育園やこども園に勤務。現在はWebライター、リトミックや親子遊びの講師などとして活動中。

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