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保育園のICT化って実際はどう?

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2018/10/04 保育士お役立ち情報


ここ最近、保育業界でもよく聞かれる「ICT化」という単語。ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、わかりやすく言い換えると、パソコンやタブレットなどを利用した業務軽減システムです。近年では、保育園での書類業務などの負担を減らすために数多くのICTシステムが開発されており、利用する保育園が激増しています。

保育園の園長として、保育現場の業務改善・効率化は必須です。今までは日々の保育記録をはじめ、発達記録に行事記録、行政に提出する書類に至るすべての書類は紙ベースでの記入がメインでした。日中の保育をこなし、その合間をぬって書類の作成。どう考えても時間的に書類作成に充てる時間が足りず、結果的に保育後に日誌などの書類作成を行うのが保育士の長時間労働の元凶でした。

しかし平成27度厚生労働省から発表された「保育所等におけるICT化の推進」とそれに伴う補助金の給付を受けて、ICTシステムを私が園長を勤める園でも導入しました。そのシステムの導入前後の保育士の働き方を現場の園長としてお伝えできればと思います。

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とても効率的に業務がはかどる!


ICTシステム導入前は子どもの保育に当たっていると書類作成ができず、日々の日誌や月週案は子どもの数が少なくなってから順に保育士が保育から抜けて作成するのが当たり前でした。午睡中はというと眠れない子に付き添いながら、起きた子を見つつ、保護者への連絡帳を書くのが精一杯。このような状態では、午睡中にすべての書類を記入することはとても不可能に近い状態でした。

しかしICTシステムを導入すると、まず、圧倒的に手書きの書類が減りました。月週案をはじめ、行政に提出する書類の作成までが午睡中にほとんど出来るようになりました。導入するシステムのソフトによりますが、保育用語や保育記録文章の1文にいたるまで月週案作成用フォーマットがあり、それを基に保育士が書類作成できるので書類作成にかかる時間は以前の約半分になったように感じています。

また、今までは月週案を作成する際に先輩保育士の指導を直接受けていましたが、利用しているシステムソフトには月週案のヒントも入っているため効率よく作成できます。また、登降園管理についてもICT化したことで保護者への保育延長料金を自動計算できるようになったため、集金ミスもなくなりました。

一人ひとりの園児に寄り添った保育

現場の保育士から上がったメリットとしては、情報共有がスムーズになったことでしょうか。以前は各園児についての情報共有ができるのは毎月の定例ミーティングに限られていましたが、園内で同じICTシステムを導入していることで全クラスの園児共有がスムーズになりました。違うクラスの園児のことでも共有パスワードで様子を把握することができます。
そのおかげで、普段は一緒に過ごす時間が短い園児のこともよく分かり、毎日のローテーションで働く保育士が早番遅番を担当する際には園児はもちろん、送迎時の保護者とのコミュニケーションがより取りやすくなったそうです。

ICTシステムを導入したことで連絡帳についても変化がありました。以前はお迎え時にノート式の連絡帳をお渡ししていましたが、お迎え時間30分前に保護者のスマートフォンから連絡帳が閲覧できる設定にしました。ICTシステム導入はとても好評で、保育士の顔を見るなり、保護者から「今日は◯◯したのですね!」と嬉しそうに話しかけてくださるなど、以前に増して保護者と保育士の関係が良くなったように感じています。

ここまでは保育に携わる担任保育士たちの業務が効率化されたことをお伝えしてきましたが、園長としてICTシステムを導入して本当に良かったと感じることがありました。
それは何より、保育士たちが本来の仕事である「子どもの保育」に集中することができるようになったことです。それでなくてもいつも書類作成や行事に追われている忙しい保育士たち。 書類だけでもICT化されたことで事務作業にかかる時間が大幅に減り、大好きな子どもたちとの時間が多く取れるようになっています。保育園で働くスタッフたちが少しでも元気に明るく、そして長く働き続けられるためには業務効率化は必至です。その第一歩として今回保育ICTシステムを導入して本当に良かったと思っています。

ICTシステムとの付き合い方

メリットが多く、とても人気のICTシステムですが、実際に利用している保育士さんが戸惑う可能性のある3つのことについても紹介します。メリットとデメリットの両方を知ったうえで、ご自身の勤務先の保育園でもICTとの良い付き合い方を見つけましょう!

◇パソコンでの作業への苦手意識

今までパソコンでの資料作成などをしたことがない先生の場合、パソコンの使い方やタイピングをまず覚える必要があり、慣れるまでに時間がかかることもあります。

【解決策】
慣れるまでは辛抱が必要ですが、使いこなせるようになれば業務効率がずいぶんと上がるはずです。まずは、タイピングの練習をしてみましょう。また、パソコンの得意な先生にシステムを使いながら現場でコツを教えてもらいましょう。

◇作業できるパソコンやタブレットの台数が少ない

ICTシステムはとても使いやすく便利ですが、園内で使えるPCやタブレットの台数が限られている場合は先輩保育士の作業が終わるのを待つことになり、ロスタイムが生まれてしまうこともあります。

【解決策】
端末を共有する先生とスケジュールを工夫しましょう。上手く時間配分が出来れば、スムーズに作業に打ち込めることと思います。また、一人ひとりがPC作業に慣れてくれば作業時間も短縮されるはずですので、余裕を持って事務作業が出来るでしょう。それでも、「どうしても端末の台数が足りない」という場合には園長先生や本部の担当者に相談してみましょう。

◇手書きの温かみがなくなってしまう!?

ICTを導入している保育園の中でもどの範囲までシステムを利用しているかには違いがありますが、連絡帳や園だよりもすべてシステム化されている場合、保護者と保育士の手書きのやり取りが無くなってしまうことに寂しさを感じる方もいらっしゃるようです。

【解決策】
連絡帳のみは手書きのまま、もしくは季節のおたよりのみは手書きなどと、紙とシステムをバランスよく使っている保育園も多くみられます。連絡帳もおたよりもすべてICT化しているのであれば、お迎え時に保護者と密なコミュニケーションをなるべく取れるようにしましょう。また、特別なおたよりを季節やイベントの折に手書きで出してみると保護者も喜ばれることと思います。

まとめ

使いこなせるようになれば、格段に業務がはかどるICTシステム。まだ始まったばかりの施策ですので、上手く活用していけるように試行錯誤しつつ、先生同士協力してシステムに慣れていきたいですね!


ライタープロフィール

白川佳代さん

保育士歴10年以上。自身の子育て経験を生かし、新卒保育士や子育てに悩む保護者の相談業務にも多く携わる。現在は認可保育園の園長。また、当サイトにコラムを多数執筆中。



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