保育士の給料 手取り額算出、給料アップ方法など詳しく紹介!
- 保育士お役立ち情報
- 2021/08/11
保育士の給料について、気になる平均額、学歴・経験年数などによる額の違い、手取り算出の仕方など詳しく紹介します。

保育士の給料額は?
一般に保育士の給料はどのぐらいなのでしょうか。保育士に就職を考えている方などは気になるところですね。
ここでは保育士の給料について詳しく紹介していきます。
まずは手取り額について知ろう!
まずは、給料の手取り額について整理しておきましょう。初任給をもらう方など、意外と手取りについて知識がない場合もあります。
「手取り」とは、一言でいえば給料の総支給額から税金などを差し引いたものです。
社会保険料や税金が控除され(差し引かれ)、実際に自分が受け取れる金額で、可処分所得とも言います。
控除される各種税金などは、一般に以下になります。
所得税、住民税、健康保険料、介護保険料(40歳以上64歳以下)、厚生年金保険料、雇用保険料
上記が差し引かれるため、おおよその手取りは総支給額の75〜85%になるのが一般的です。
なので、この記事では、すべて手取りは80%として計算しています。
保育士の初任給額は?
平均で約16〜22万円!
保育士の初任給は、他の職業と比べてどうなのでしょうか。現在の一般的な保育士(正社員)の平均初任給は、約16〜22万円です。ただし、様々な条件によって差が出てきます。それについてはまた詳しく紹介します。
それと比べて、全職種平均の初任給は、厚生労働省のデータによると、以下の通りです。
全職種の平均初任給
大卒:22.6万円(手取り18.0万)
高専・短大卒:20.7万円(手取り16.5万)
高卒:17.7万円(手取り14.2万)
(令和2年賃金構造基本統計調査/厚生労働省)
以上の平均額に対して、保育士の平均初任給は、特に遜色はないようです。
給料額は学歴などによって異なる
一般に、給料相場は、学歴、地域、経験年数によって異なってきます。
更に詳しく保育士の給料額について見ていきましょう。
・最終学歴及び年齢による初任給相場の違い
保育士の平均初任給は最終学歴によって、若干差が出てきます。
参考に、公務員保育士の初任給の学歴による違いを見てみます。
【公務員保育士】学歴別平均初任給
短期大学卒: 16.1万円(手取り12.8万)
高校卒: 14.8万円(手取り11.8万)
(平成31年地方公務員給与実態調査結果/総務省)
ご覧のように、高卒に比べると、短大卒の公務員保育士の給料は13,000円ほど高いことがわかります。少しでも多くの初任給がほしい方は、短大を卒業してから保育士を目指してみるのもよいでしょう。
私立保育園の場合、また事情が異なります。詳細なデータはありませんが、公務員保育士と違って、学歴でここまで給与に差がないことが一般的です。
ただ、年代によって初任給が異なることが多く、年齢が上がると加算されます。
以下のようなイメージです。統一的なデータは存在しないので、金額はあくまで参考程度に留めてください。
【私立保育園保育士】年代別平均初任給
20代 19.3万円(手取り15.4万)
30代 20.6万円(手取り16.4万)
40代 20.8万円(手取り16.76)
(職種・性、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額/e-Stat政府統計/2018年)
上記からわかるように、公務員保育士と比べて、私立保育園保育士の方が初任給は若干高めの傾向にあります。
ただし公務員保育士は福利厚生など勤務環境がよい傾向にあり、給与の上昇も安定しているなど、一概に比較はできません。
・地域による給料相場の違い
保育士の給料相場は、地域によっても異なります。
それは、各都道府県で保育士獲得のために、独自で給料の引き上げを行っているためです。
例えば、東京都では、独自の月給上乗せ施策を行っており、家賃補助制度も実施しています。
京都市でも独自の処遇改善により、他の自治体よりも高い給料が支給されています。
参考に、上位10位の自治体を以下に紹介します。
保育士の平均年収 上位10自治体【都道府県別】
1 京都府 403.6万円
2 東京都 397.6万円
3 愛知県 377.7万円
4 岡山県 366.2万円
5 神奈川県 358.7万円
6 滋賀県 358.5万円
7 兵庫県 356.8万円
8 宮崎県 354.1万円
9 山口県 354万円
10 大阪府 351.8万円
(平成29年賃金構造基本統計調査/厚生労働省)
・経験年数による給料の推移
保育士の給料は、経験年数によっても変動します。
保育士として経験を積むことによって、まず基本給が昇給します。更に役職手当などの手当が加算されます。結果として給料がアップしていきます。
厚生労働省が発表している保育士の給料と経験年数の関係は、下記のようになっています。
経験年数 0年(初年度) 1〜4年 5〜9年 10〜14年 15年以上
年収 248.4万円 311.1万円 368.2万円 399.4万円 468.8万円
手取り 198.7万円 248.9万円 294.6万円 319.5万円 375.0万円
(平成30年賃金構造基本統計調査/厚生労働省)
給料額、賞与額など、求人票はきちんとチェックしよう!
より高い給料を目指すのであれば、求人票はよく精査する必要があります。
例えば年間賞与の額などは、職場によって異なるため、きちんとチェックしましょう。
また上述したように、地域によって給料相場が異なります。
例えば、私の住む地域は神奈川件なのですが、お隣の静岡県では最低賃金も安くなり給料相場が低くなります。車ですぐの距離であってもです。
地域ごとの違いも考慮しながら、求人票を見ることをおすすめします。
給料をアップするにはどうしたらいい?
保育士として給料を今よりアップさせたいと考えている場合、主に二つの方法があります。
@ キャリアアップする
キャリアアップして役職に就くことで、給料を上げることが可能です。
例えば、平成29年度の内閣府の調査によると、主任保育士になると月収ベースでは約13万円、施設長(園長)になれば約26万円アップするという統計が出ています。
昇給率は園によって違うので、これは統計の平均値に過ぎませんが、役職に就くと給料が上がる傾向にあります。
また、2017年からはキャリアアップ補助金がスタートし、職務分野別リーダーや専門リーダーなどの役職につく保育士には、行政からの補助金が出るようになりました
「保育士等キャリアアップ研修」を受けて役職に就くことで、給料アップが実現します。
A 転職する
保育士不足が続く現在、給料面で好条件を提示している職場が数多くあります。
思い切って、今より給料の高いところに転職するのも給料アップの早道です。
まとめ
世間では「保育士の給与は低い」と思われていますが、全職種と比べても大きく劣るということはありません。
ただし、給料額はその人の学歴、就職する地域、経験年数によって変わってくることを意識していない人も多いようです。
就職、転職の機会に必要になってくるので、そうした基礎知識も身につけておきたいですね。
ライタープロフィール
玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。
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