2023/10/11更新
療育保育士の役割・やりがいについて紹介！
療育保育士の仕事内容や役割、やりがいなどについて、保育士とも比較しながら詳しく紹介していきます。
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そもそも療育保育士とは？
最近、保育士の新しい働き方として「療育保育士」という言葉が注目されていて、耳にしたことがある方もいると思います。 ただ注意したいことは、療育保育士という職種や資格は、実は存在していません。療育保育士とは、一般に療育施設で働く保育士を指します。
療育施設には配置基準があり、保育士（もしくは児童指導員）を配置する必要があるため、多くの保育士が在籍しています。
おもな療育保育士が働く療育施設・対象児
| 療育保育士が働く療育施設 | 対象 |
|---|---|
| 児童発達支援事業所 | 未就学の子ども |
| 児童発達支援センター | 未就学の子ども |
| 放課後等デイサービス | 就学している18歳未満の子ども |
「療育・発達支援・保育」の違いを解説
「療育」に似た言葉で、「発達支援・保育」があります。それぞれを比較しながら違いについて解説します。
療育と発達支援の違いについて
療育とは、障害のある子どもに対して「現在の困りごとの解決や将来の自立などを目指して行う支援」のことです。具体的には、子どもが苦手分野を補えるように働きかけをしたり、社会的なスキルが身につくように支援をします。
同様の言葉として「発達支援」がありますが、発達支援と療育には違いがあるかというと、特にありません。発達支援は、現在、療育と同義語に扱われています。
療育と保育の違いについて
結論からいうと、その違いは明確ではありません。例えば、療育施設では保育と療育は区切りなく並行して行われています。一方、保育園などの保育施設でも、保育をしながら療育・障害のある子どものケアをしていくことがあります。
「子どものよりよい成長を促す」という点からは、療育と保育どちらも目的は同じであり、線を引きにくいのが現状のようです。ただ、保育と療育で大きく異なる点を挙げるなら、療育では、子どもたちの特性に対する理解が必要な点でしょう。
療育では、通常の保育に加えて、発達障害などの子どもの特性に対する理解が常に求められます。また、療育についての専門的な知識を持つことで、子どもたちへの適切なアプローチ見えてくることも多くあります。
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療育保育士の役割は？
療育保育士は、保育園の保育士とは違った役割が求められるのでしょうか。療育施設での保育士の役割は、主に以下になります。
・日常生活における基本的生活習慣や動作が身につくように援助、指導
・集団生活への適応力、知識、技能などが習得できるように援助・指導
・保護者支援
・個別の支援計画作成
上記からわかる通り、保育園での保育士の役割と大きく変わりません。ただし、保育園での保育と大きく変わるのは、施設の子どもたちは集団生活が難しく、言葉で指示を伝えるのが困難な場合が多いことです。なので、保育園よりも更に個々に寄り添った関わりをする必要があります。
さらに、子どもたちにはポジティブな言葉掛けをして、希望や意欲を持たせる姿勢も大切です。保護者に対する支援でも、きめ細かな対応が必要になってきます。家庭での様子をヒアリングしながら、施設での対応について伝えるなど、障害の特性についても密に情報共有していきます。
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療育保育士の仕事内容は？
療育保育士は、療育施設で、日常的にどのような仕事をしているのでしょうか。療育施設での保育は、子どもの日常生活支援を行うなど、保育園での保育と大きくは変わりません。おもな療育保育士の仕事内容について、保育士とも比較しながら紹介します。
専門スタッフとのチーム保育を実施
療育施設である児童発達支援事業所の配置では、嘱託医1名以上、児童発達支援管理責任者1名以上、児童指導員・保育士・栄養士・調理員が1名以上となっています。機能訓練担当職員として、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員が関わることもあります。
このように、療育施設の保育士は、さまざまな専門的知識を有するスタッフと一緒に働くことが多くなります。さらに、医療的ケアが必要な子どもを受け入れる場合には、外部の医療機関との緊密なコミュニケーションも必要になってきます。
小人数での保育
療育施設の子どもの特性はそれぞれ異なるため、きめ細やかなフォローが必要です。基本的に少人数制ですが、場合によってはスタッフと子どもが1対1で療育を行うこともあります。
保護者支援に深く関与
療育施設では、保護者と子どもとの愛着形成の支援、保護者同士の情報交換のきっかけづくりなど、保護者への支援に力を入れています。ペアレント・トレーニングでは、子どもではなく保護者を対象とした講義やワークを行います。保護者に障害についての理解を促すために、事例などを学び実際に自分の子どものケースに当てはめて考えるなどします。
個別療育と集団療育を組み合わせて実施
療育施設での療育プログラムは、主に「個別療育」と「集団療育」からなります。
個別療育では、子どもそれぞれの発達や特性に合わせて、個別に課題を設定した上で遊びや運動をベースに支援を行います。一歩で集団療育では、子どもたちをグループ分けしての支援を展開します。誰でも参加できるようなプログラムであることが一般的で、協調性を養うためにルールのある遊びを行うなどします。
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保育士が療育施設で働くメリット・やりがい
保育士が療育を行うことで、どのようなメリット・やりがいがあるでしょうか。保育士が療育施設で働く4つのメリット・やりがいを紹介します。
子どもに深く寄り添った保育ができる
今まで紹介してきたように、療育施設での保育は基本的に保育園と大きく変わりません。ただし子どもたちの特性という点から、保育園よりもさらに個々に寄り添った関わりをする必要が出てきます。
実際に、療育保育士の声としても「一人一人に合わせた支援を考えて工夫するのがやりがい」「子どもたちが少しずつできるようになっていくのが喜び」などが多くあります。
子どもたちの発達段階や興味関心に深く寄り添って、その子の優れた部分を伸ばしていくことは、保育園での保育とはまた違ったやりがいになると思います。
保育士としてスキルアップできる
療育施設では保育士のスキル・知識だけでは対応できないこともあります。よって、専門的な知識を学ぶことも必要になってきます。専門的な知識を持ったスタッフとの連携も求められます。そうした経験を積み重ねることは、保育士としてのスキルアップにも繋がっていきます。
療育と保育二つのスキルを持った人材は、療育施設が増加していく中で今まで以上に求められる可能性があります。
社会貢献を実感できる
例えば、発達障害は乳幼児期から適切に療育を行うことで、本人の生きづらさを改善することができるといわれています。特に最近では大人になってから発達障害が発覚するケースが増えているため、療育施設の果たす社会的な役割は大きくなっています。
そこで働く保育士も、社会貢献を実感できる機会が数多くあるでしょう。
療育で培ったスキルを保育にも活かせる
療育の分野では、子どもとの接し方で特に注意すべきポイントがあります。例えば、以下のような接し方が求められます。
・子どもにネガティブな感情を与えず褒める
・叱らなければいけない場合、肯定的な言い回しで表現する
・子どもの気持ちに共感して、話を聞く
・子どもの味方であることを伝える
基本的には、ポジティブな言葉掛けをして、子どもに希望や意欲を持たせることが大切です。そうした視点は、保育の本質的な働きかけともいえるでしょう。
療育を経験して一人ひとりへのポジティブな言葉掛けを意識することは、もし保育園に戻った場合でも生かされると思います。
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保育士が療育を行うのに必要な資格は？
療育施設で募集する保育士求人の多くは、保育士資格以外に特別な資格は必要ないことが一般的です。なので、療育について未経験でも療育施設で働きだす保育士も多いようです。
保育園とは違う環境で障害のある子たちと向き合うことになるので、療育に関する資格を取得しておいて損はないでしょう。現在、民間資格として、以下のようなものがあります。
※注）これらはすべて国家資格ではありません。
・児童発達支援士
・発達障害児支援士
・子ども発達障がい支援アドバイザー
・早期発達支援士
保育士資格は必須の場合が多いですが、求人で上記資格が必須となることはないでしょう。ただし、取得することで就職の際に有利に働く可能性もありますし、仕事への理解も深まるでしょう。
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まとめ
療育施設で働く療育保育士には、独自のやりがいがあります。なかでも、自分の担当する子どもが発達課題を克服して、成長していく様子を近くで見られることは大きな喜びとなります。
療育という分野は敷居が高いように見えますが、療育と保育には通じる部分も多くその垣根はだんだん取り払われてきているのが現状です。また、療育施設は毎年増加傾向で求人も増えてきています。
興味をお持ちの方は、療育施設で働くことも検討してみるのもよいでしょう。
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