今注目の「インクルーシブ保育」について知ろう

最近、いろいろなところで耳にする「インクルーシブ」という言葉。保育業界でもインクルーシブ保育の取り組みが始まっています。その趣旨やメリットなどを紹介します。

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そもそも「インクルーシブ」の意味は?

「包括的」「すべてを含んでいる」という意味

「インクルーシブ」は耳慣れない言葉ですが、日本語では「包括的」「すべてを含んでいる」という意味です。また、SDGsでも、「誰一人取り残さない」という意味合いで、「インクルーシブ」は重要なキーワードになっています。

今後、さらに一般的になってくると思われる言葉なので、保育士であれば覚えておいたほうが良いでしょう。

インクルーシブ保育とは?

通常クラス・障害児クラスとの隔たりを無くすこと

インクルーシブ保育とは、一言でいうと「障害の有無に関わらず、どんな背景を持つ子であっても、わけへだてなく一緒に保育すること」になります。障害のある子もない子も共に育ち、共生社会の実現につなげていくという考え方です。
具体的には、通常クラスと障害児クラスとの隔たりをなくしていくなどです。

例えば、インクルーシブ保育を実践している園では、保育園と障害児通所支援事業を自由に行き来できるように空間を設計しているところもあります。私の以前勤めていた園でも、インクルーシブ保育を実践していました。3歳児クラスに障害のある子が一人いましたが、特に特別扱いされずに他の子と同じ保育を受けていました。

インクルーシブ保育のメリットを紹介

インクルーシブ保育を実践していくと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

子どものメリット

差別や偏見を持たない子に育つ

幼児期の子どもはお互いの違いは認識しますが、まだ「障害」という概念を大人のようには持っていないといわれています。幼児期に分け隔てなく、多様な人たちに接することで、差別や偏見を持たずに成長していけることが期待できます。

子どもの成長につながる

お互いの違いを認め合う環境で過ごすことは、相手への思いやりや尊重する心を育てることにつながります。また、障害のある子どもにとっては、自分にはできないことを友だちがやっているのを見るなど刺激を受ける機会も多くなります。それによって、様々なことにチャレンジしていけるようになる効果も期待できます。

保育士のメリット

障害児に対しての高い保育スキルが身につく

障害児への接し方を学んだり、医療ケアが必要な子どもへの対応で、場合によっては研修を受ける必要もあります。障害児の保育スキルを高め実践にも繋げていくことで、やりがいも大きくなっていくことでしょう。

インクルーシブ保育のデメリット・課題とは?

子どものデメリット

インクルーシブな環境に慣れるまでが大変

インクルーシブ保育では、お互いの違いを認め合って受け入れる必要があります。しかし、それは容易でない場合もあります。場合によっては、保育士が子どもたちの関係づくりに根気良く付き合うなど、サポートが必要になることもあります。

障害のある子へのサポートが負担になる

周りの子どもたちが障害のある子をサポートする場面も出てきますが、それが頻繁になると、子どもたちの間でも軋轢(あつれき)が生まれる可能性もあります。
「あの子のせいだ」「あの子ばかりずるい」などの不公平感が生じるなどして、それが全体に良くない影響を及ぼすことも考えられます。

保育士のデメリット

保育内容をどこに合わせるのかが難しい

通常、保育士は子どもの発達段階に合わせて保育内容を考えますが、障害のある子がいる場合はどの様な展開が良いのか頭を悩ますことも多くなります。また、人員が不足していれば支援が必要な子どもにばかり手をかけてしまい、ほかの子どもたちを見てあげられなくなることも考えられます。

専門的な知識や経験が必要

インクルーシブ保育を進めていくには、専門的な知識、また「こんな時はこうすればいい」という経験から来るノウハウが必要になります。よって、障害児に対する専門性を持たない保育士には負担が大きくなる可能性があります。また、その影響で仕事に対するやりがいを失っていくことも考えられます。

前例が少ないため、個人での工夫も必要

インクルーシブ保育は、実践している園がまだ少ないのが実情です。そのため、参考にする事例も乏しく、専門家の助けもあまり期待できません。私の勤めていた園でも、障害のある子の対応については、職員でいつも打ち合わせをしてその都度工夫をしていました。

経験値を高めていくことで、様々な状況にも対応できるようになるでしょう。一方で、きちんとやり遂げるためには、熱意や使命感も必要になってきます。

まとめ

障害の有無に関わらずインクルーシブ保育は、まだ一般的なものではありません。しかし、保護者のニーズも高く世の中の傾向もあり、今後は保育の世界で広がっていく可能性が高い分野です。将来的には普通の取り組みになっているかもしれません。

保育士としての視野を広げ、専門性を高めていくためにも、インクルーシブ保育に注目してみるといいでしょう。

ライタープロフィール

玉田 洋さん
保育園運営企業で、子育て雑誌編集長を経験し、その後、都内で保育士として勤務する。現在は「森の保育園」を計画中。

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